今回から、国土交通省で作成された

｢運輸安全マネジメント　ガイドライン｣の解説を行う

ガイドラインメールゼミをお届けします。

 今回が第１回目です。

 ガイドラインとは、

国土交通省大臣官房運輸安全監理官が作成した

「運輸事業者における安全管理の進め方に関するガイドライン」

（平成22年3月改訂）のことです。

当ガイドラインは、国交省のサイトからダウンロードできます。

http://www.mlit.go.jp/common/000110883.pdf

今回は、ガイドラインの位置付けを解説しますね。

このガイドラインは、

ＩＳＯ９００１でいえば、

要求事項（規格）と同等の位置付けになりますので

運輸安全マネジメントに取組むうえで

非常に重要です。

ただ、ガイドラインは、

国交省が

「このガイドラインを参考に運輸安全マネジメントの

しくみを作って、活用して成果を出してください」

というものであり、

決して、

「ガイドライン」通りに

実施しなければならないと言うことではありません。

そのことは、ガイドライン文中の

 
“必要に応じて、本ガイドラインを参考に・・・期待される”

 との文章からもよみとれ、

 “・・・事業者が本ガイドラインに示す取組以外の
　進め方で輸送の安全の取組を行うことを否定するものではない”

で明確にしています。

ただ、行政機関の立場でこのような参考文書を作成することにより

「これが唯一の方法である」と

ガイドラインの内容が“標準化”であるとの

誤解が生じる可能性があります。

また、運送事業者にとっても、

「とりあえずお上の指示通りにしておけばいいだろう」

と安易に

「ガイドライン」通りのしくみで

運輸安全マネジメントを運用することも考えられまね。

国交省がガイドラインを作成した目的として

次の記載があります。

　　本ガイドラインは、

事業者における安全管理体制の

構築・改善に係る取組のねらいと

その進め方の参考例を示すことにより、

次に掲げる事項の実現を図ることを目的とする。

（１）適切な安全管理体制の自律的・継続的な実現と見直し・改善
（２）関係法令等の遵守と安全最優先の原則の事業者内部の全要員へ　　　　　の徹底及び実現のための不断の動機付け
（３）事業者内部における安全文化の構築・定着

以上をまとめますと

まず、自社のしくみとして安全管理体制を構築し、

その体制を一時的なものにしないで、

取組みを継続させ改善を実現することです。

そして、

　・自動車運送事業を経営するうえで遵守すべき法令等の徹底遵守

　・とにかく、安全が最優先であることを全従業員へ徹底

　・なぜ「運輸安全マネジメント」が必要なのかを理解させる

・“安全最優先”“法令遵守”は当然であるという社風実現

これらのことを実現するために、

ガイドラインを参考にして

運輸安全マネジメントのしくみを構築すればよいのです。

ただ、前述したように

決して、

「ガイドライン」通りに

実施しなければならないと言うことではありません。

今回は、ここまでにしますね。

次回からは、

ガイドラインの具体的な解説です。

正に本番ですね！

最後までお読みただき感謝です！