運輸安全マネジメント メールゼミ18                 

運輸安全ドットコムホーム荷主企業様へ運送業者様へ運輸安全ドットコム会員限定運輸安全マネジメント教材運輸安全ドットコム入会
 
運送業専門ISO9001・ISO14001コンサル

運輸安全マネジメントコンサル

 運営責任者
  山本昌幸
運輸安全マネジメント推進協議会
あおいコンサルタント株式会社
山本プロフィール
国土交通省中部運輸局発行の「中小規模運送事業者用運輸安全マネジメントテキスト」の執筆者
ISO9001主任審査員
ISO14001主任審査員
社会保険労務士、行政書士、
運行管理者
詳しいプロフィールはコチラ

所在地:
名古屋市中区栄3−28−21
建設業会館7階
電話 052−259−7355
メールでのお問い合わせはコチラ
第18回メールゼミ

こんにちは。

運輸安全.comの山本です。

第18回目の「運輸安全マネジメント」メールゼミです。

 

前回(17回)、前々回(16回)では、

「SHELモデル」の説明をしました。

更に「4M(5M)」についても触れましたね。

 

くどいようですが、ここでもう一度。
 

―――――――――――――――――――――――――

「SHEL」とは5つの頭文字でしたね。

それは、

L=Liveware(ドライバー本人)を取り囲んだ

 

S=Software(ソフトウエア)、

H=Hardware(ハードウエア)、

E=Eivironment(環境)、

L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)。

―――――――――――――――――――――――――

「4M(5M)」とは、

Man(ドライバー本人)、

Machine(車両、機械・設備、安全機器等)、

Media(環境の要素:天候、作業環境)

Management(管理体制、制度)

及び

Mission(作業目的、達成手段)

―――――――――――――――――――――――――

 

そして、今回は、実際にあった事故を

「SHELモデル」で考えてみましょう。

 

実際の事故資料を国交省発表のものから引用しますね。

下のアドレスをクリックすると事故の詳細が表示されます。

http://www.unyuanzen.net/jikojirei1.html

 

まず、事故要因として

「車載してあったタイヤチェーンが未装着であった」

とありますね。

 

この場合、

「タイヤチェーン=H:Hardware(ハードウエア)」

ですね。

 

そして、タイヤチェーンを未装着にしていたのは

ドライバー本人ですから

「本人=L:Liveware(ドライバー本人)」

となります。

 

要するに

「L:本人」と「H:ハードウエア」の間に

“溝”があったことが問題のようです。

 

そして、この国交省の文書では再発防止策として

「乗客の安全を最優先した対策(タイヤチェーンの装着等)を

   運転者に対して指導する」

とあります。

 

でも、でも

 

これで果たして良いのでしょうか?

 

もちろん、間違いではありません。

 

ただ、少々、安易なような気がするのは私だけでしょうか。

 

ここで考えて頂きたいのは、 

なぜ、「L:本人」と「H:ハードウエア」の間に

“溝”が出来てしまったのか?

と、言うことですね。

 

その前に、事故要因は本当に

「車載してあったタイヤチェーンが未装着であった」

で正しいのでしょうか?

 

通常、事故や問題の「原因」を追究する場合、

なぜ、なぜを最低3回は行ってくださいと

お願いしています。

(5回必要と言う大手企業もあります)

(「原因」と「要因」の“差”は、今回無視します。

 本来「原因=要因」とは言い難いですが)

この事故要因も、なぜ、なぜを3回した結果かもしれませんが、

他の視点で考える必要があるかもしれません。

 

なぜ、ドライバーはタイヤチェーンを装着しなかったのか?

 

当該、国交省の文書の

再発防止策に行きつくまでの

雪道での事故発生原因をシュミレーションしてみますと

(あくまで推測ですが)

 

  事故:雪道で走行中のバスがカーブを曲がり切れずに路外に

  逸脱した

   なぜ、逸脱したのか?

  原因1:道路に雪が積もっていてスリップした。

   なぜ、スリップしたのか?

  原因2:タイヤにチェーンが装着されていなかったから。

   なぜ、未装着だったのか?

  原因3:ドライバーは、まだ大丈夫と判断した。

      乗客の安全最優先を認識していなかった。

 

と、なるのではないでしょうか。

 

「再発防止策」は、「原因」を取り除くための処置ですから、

この国交省の文書で再発防止策として

「乗客の安全を最優先した対策(タイヤチェーンの装着等)を

   運転者に対して指導する」

と決定したのであれば、

事故原因として

前述の“原因3”

   ドライバーは、まだ大丈夫と判断した。

   乗客の安全最優先を認識していなかった。

と、推察できるわけです。

 

 

んっ? でも当該文書には「要因」として、

「車載してあったタイヤチェーンが未装着であった」

と、記載してありますね。

 

なんか、今一つ、しっくりきませんね。

(国交省の結論について、然るべき方たちによる分析結果ですし、

 決定に至る様々な背景があったと思いますので、否定する気は

 ないのでが)

 

そもそも、再発防止策として

「教育(再教育も含む)」というのは、

「周知徹底する」に次いで安易な再発防止策のような気がします。

 

私も、ISOの審査で企業にお邪魔する際、

不適合発生に対する是正処置(再発防止)として、

「周知徹底する」「再教育する」というのは、

間違いではないですが、他の方法は考えたのかと

疑問に思う事がよくあります。

 

当事例の場合、

“運転者に対して指導する”で問題ないことを

否定はしませんが、

次回、他の方法も考えてみたいと思います。

 
 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒

あおいコンサルタント株式会社

運輸安全マネジメント推進協議会

山本昌幸(ISO9001ISO14001主任審査員、行政書士、

特定社会保険労務士、運行管理者)

―――――――――――――――――――――――――

追伸(今回のオマケ):

私自身、いろいろな業界に「首を突っ込んでいる」のですが、

そこで思う事。

「皆さん、自分の業界以外も見てください」

と言う事です。

その最たるものとして、

「敵は、他の業界に居ますよ」

と言う事です。

自分の業界内で、ライバル企業と足の引っ張り合いをするより

業界外からの攻勢に備えるべきであると思います。

具体的なお話は、別の機会で。


運輸安全マネジメント無料マンガテキスト配布 運輸安全マネジメント無料マニュアル・帳票配布


           事故削減・撲滅に向けて運輸安全マネジメントに取り組んでいる優良運輸事業者一覧

 下の県の一覧をクリックいしていただいても、県ごとの一覧が表示されます。

 北海道青森秋田岩手山形宮城福島
 茨城栃木群馬千葉埼玉東京神奈川山梨
 新潟富山石川福井岐阜長野愛知静岡三重
 滋賀京都大阪奈良和歌山兵庫
 鳥取島根岡山広島山口愛媛香川高知徳島
 福岡佐賀長崎大分宮崎熊本鹿児島沖縄

ホーム会員の運送業者様へ会員以外の運送業者様へ荷主企業様へ運輸安全マネジメント関連教材会員参加!
組織概要「運輸安全マネジメント」制度の説明メールでのお問い合わせ運輸安全マネジメントに即、取り組む!
プライバシーポリシー特定商取引表示会員規約

運輸安全マネジメント推進協議会 ・ あおいコンサルタント株式会社
名古屋市中区栄3-28-21建設業会館7階 TEL:052-259-7355
Copyright (C) 2008 Aoi consultant. All Rights Reserved.