運輸安全マネジメント メールゼミ16                 

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運輸安全マネジメントコンサル

 運営責任者
  山本昌幸
運輸安全マネジメント推進協議会
あおいコンサルタント株式会社
山本プロフィール
国土交通省中部運輸局発行の「中小規模運送事業者用運輸安全マネジメントテキスト」の執筆者
ISO9001主任審査員
ISO14001主任審査員
社会保険労務士、行政書士、
運行管理者
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所在地:
名古屋市中区栄3−28−21
建設業会館7階
電話 052−259−7355
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第16回メールゼミ

こんにちは。

運輸安全.comの山本です。

第16回目の「運輸安全マネジメント」メールゼミです。

 

前回までは、ヒューマンエラーの原因追求の事例を説明しました。

 

今回からは、ヒューマンエラーの原因追求や対策立案の際、

重宝する
「SHELモデル」について説明していきましょう。

 

「SHELモデル」とは、5つの頭文字です。

それは、

L=Liveware(ドライバー本人)を取り囲んだ

S=Software(ソフトウエア)、

H=Hardware(ハードウエア)、

E=Eivironment(環境)、

L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)

の事です。

 

図で示しますと

(メール文書ですので上手く図が表現できてなかったらスミマセン)

 

     H

   H L L

     S

 

と、なります。

 

では、一つ一つ運送業にたとえて説明しましょう。

 

L=Liveware(ドライバー本人)は、そのままですね。

S=Software(ソフトウエア)とは、

作業指示、手順書、運行計画、教育訓練、

整備等のソフトにかかわること

H=Hardware(ハードウエア)とは、

     車両、設備・機械、安全機器

(デジタコ、ドラレコ、バックアイカメラ等)

E=Environment(環境)、

     天候、時間帯(夜、昼間)、温度、作業環境、車内環境等

L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)

     ドライバーに指示する上司、運行管理者。

部下、同僚、人的要素、組織風土

などです。

 

また、これら5つの間の関係に「溝」がある場合、

ヒューマンエラーが発生しやすくなります。

 

 

例えば、次のような事故の場合・・・

 

事例1

大雨にもかかわらず、晴れた日のような運転をして、

スピードを上げたためスリップ事故を起こした。

 

事例2

大雨にもかかわらず、上司が、

「絶対遅れないように!」とプレッシャーをかけ

スリップ事故を起こした。

 

 

「事例1」の場合は、

“L=Liveware(ドライバー本人)” と

“E=Eivironment(環境)” の関係が

上手く機能していなかった例ですね。

要するに、「ドライバー本人」と「環境」の間に

“溝”が出来て発生した事故ですね。

 

「事例2」の場合は、

“L=Liveware(ドライバー本人)” と

“L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)” の関係に

問題があった例ですね。

これも、「ドライバー本人」と「上司」の間に

“溝”が出来て発生した事故です。

 

 

そして、厄介なのは、

「SHELの関係や状態は、日々変化する」 ということです。

 

L:ドライバー本人のドライビングテクニックも変わるし(向上、

衰退)、

S:運行計画や作業手順も変わります。

H:また、トラックやバス自体も入れ替えがあるし、性能も変わり

ます。

安全機器の装着や、性能の変化もあります。

E:天候や時間、作業環境も刻一刻と変化します。

L:周りの人間(上司や運行管理者、経営層)にも変化があります

 

前述のように、LやS等の単体でも変化しますが、

それぞれの関係も変化します。

 

例えば、「事例1」のような、

ドライバー(L) と 天候(E) の関係は、

変化する典型ですね。

 

SHEL単体や関係の変化に対することも

ヒューマンエラー対策=事故防止 として重要ですね。

 

そして、SHEL単体としての原因追求も非常に重要です!

 

「この事故は、車両部品の金属疲労が原因なのか?、

   それとも、運転ミスと言うドライバーの原因なのか?」

 

このように、ヒューマンエラーの原因を追及するうえで

SHELは非常に重宝します。

 

また、更に重要なのは、

「事故発生」→「原因追究」→「再発防止」 です。

 

その

「再発防止」・・いわゆる対策を立てる際、

SHELで対策を立てればよいのです。

 

ところで、

「第14回メールゼミ」で説明した内容を覚えていますか?

その内容を引用してみましょう。

 

以下、第14回メールゼミの引用

 

***************************

その前に、国土交通省で定義されている

「ヒューマンエラー」の定義である

1 意図した不安全行動

2 意図しない不安全行動

を再認識しましょう。

 

前回のメールでも書きましたが、

“1 意図した不安全行動”とは、

自分でもわかってはいるけどついやってしまう不安全な行い ですよね。

具体的には、

信号が黄色から赤に変わったけどそのまま直進 とか、

製造機械の安全装置を取り外したまま使用する ですね。

 

“2 意図しない不安全行動”とは、うっかりミス等ですね。

具体的には、

トラック発進時に安全確認を怠った とか、

ハッチを閉め忘れた ですね。

 

これら発生原因は、ヒューマンエラーを引き起こした

「本人」と様々な要因が絡み合って引き起こします。

では、その「要因」を分類してみましょう。

 

1「本人」と「機械・設備」の問題

2「本人」と「しくみ、作業指示等」の問題

3「本人」と「環境(作業環境、天候等)」の問題

4「本人」と「周囲の人々」の問題

それと、

5「マネジメント」の問題 もありますね。

*****************************

 

 

上記の「第14回メールゼミ」の内容で

 

1「本人」と「機械・設備」の問題

2「本人」と「しくみ、作業指示等」の問題

3「本人」と「環境(作業環境、天候等)」の問題

4「本人」と「周囲の人々」の問題

 

こそ、SHELモデル ですよ。

 

次のように表記すれば、わかりますね。

 

1「本人:L」と「H:機械・設備」の問題

2「本人:L」と「S:しくみ、作業指示等」の問題

3「本人:L」と「E:環境(作業環境、天候等)」の問題

4「本人:L」と「L:周囲の人々」の問題

 

「SHELモデル」という文言を

はじめて聞く方も多いと思います。

 

最初は、混乱しがちですが、実は、明快ですね。

 

今日はこの辺にしましょう。

 

次回は、今回のおさらいと、

「SHELモデル」のプラスαと

SHELと類似の考え方を説明しましょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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あおいコンサルタント株式会社

運輸安全マネジメント推進協議会

山本昌幸(ISO9001ISO14001主任審査員、行政書士、

特定社会保険労務士、運行管理者)

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追伸(今回のオマケ):

今朝、駅に向かうためにタクシーを予約していたのですが、

予約時刻になってもタクシーが現れず。

いつもは、10分前には来てくれているのに。

5分ほど遅れて、やってきたタクシーの運転手さんが

言ってはいけない言葉を

「すみません。慣れていないので」・・・これって、禁句ではない

でしょうか!

実は、コレ、タクシー乗車時によく言われる言葉ですよね。

でも、チョット待って下さい。

“慣れていない運転手さん”=“タクシードライバーとして力量が

ない運転手さん”

ですよね。

実際、そこまでの深い意味はなく、単なる「言い訳」で

使った言葉ですが、どうも、ISOの審査をしていると

このようなことが気になってしまいます。


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